Tokyo Mac Blog

PEOPLE

 

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「君のアメリカ」の過去を捨てずに、活かす。

Back to the OLD SCHOOL for the FUTURE!!

 

 

 

エアジョーダン。スポーンのフィギュア。
グーニーズ。カンゴール帽。スケボーにビースティ・ボーイズ。

キアヌ・リーブスのG-SHOCK。
タランティーノの映画たち・・・

 

80年代後半から90年代、そしてアーリー2000年代に夢中になったアメリカたちは今頃どうしてるだろうか?
ちゃんと今の時代に受け継がれているのだろうか?

そして、それを通って来た僕らオッサン予備軍及びオッサンたちはこれからどうすればいいのか?
このままエコと優しさと切なさと育児と息子の写真をせっせとフェイスブックにアップすることに勤しんでいくだけでいいのか?

高円寺の商店街にその答のヒトツらしきものを見つけた。

 

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かっこいいアメリカなら、昔のも今のも。

Cotie(コティ)は、アメリカの雑貨・家具を売るショップ。ヴィンテージでも現行品でも、流行のモノでも一部のヒトしか買わないであろうモノも、それが、店長の佐藤氏が感じる「かっこいいアメリカ」なら、売る。

 

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『CASA BRUTUS』『2nd』など各種メンズ雑誌で、Cotieの商品が頻繁に掲載されているのでご存知の方も多いかと。

佐藤弘二店長(オーナー)。氏の経歴がオモシロイ。オモシロイ店はオモシロイ人が経営しているのだ。が、まずは今の彼がどういう商売人、仕事人なのかを超具体的な例をつかって説明しておこう。

 

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(例1)『トイストーリー』のアレのスケボー&サーフィンバージョンの、Cotie的売り方。

 

映画『トーイストーリー』でお馴染みの、あの無駄に数だけ多いオリーブグリーン軍隊のミニチュアオモチャ。あれのスケボー&サーフィン版がコレ。一つ一つの造形はそこそこなのだが、数で勝負されると完敗というアレ。元、あるいは現役ボーダーとサーファー諸君の夢想には必携のオモチャである。

 

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で、コレ、ショップに入荷される時は、「安いデザイン」のパッケージに入ってるのだ。なので、日本の販売代理店がシャレオツな、今風な、こういうサードウエーブのコーヒー豆的なパッケージを用意している。店側はコレに入れ替えて売ってくれと。
明らかに、安いパッケージのままだと、今ウケしないのは誰の目にも明白だ。商売的視点で、この販売代理店の読みは当たっている。マーケティング的には至極真っ当だ。

 

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ところが、ここからがCotie流。佐藤氏は、80年代のアメリカの独特の安い匂いのするデザインのパッケージや、90年代のブリスターに魅せられた男。まずは、このまんま売ってしまうのだ。

「まずは、このパッケージの感じ・・・というか、この独特のパッケージデザインが好きな、僕と同じ『アメリカの雑貨大好き』感覚をお持ちの方のために、このまま店頭に並べてみるんです(笑)」(佐藤氏)

案の定(?)初動は悪かったようだ。けれど、それは佐藤氏の中ではCotieの独自のプチマーケティングで想定通り。逆にこの安いデザインのパッケージの段階で売れた瞬間は快感。

 

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で、ここからが、大事。動きが悪いようなので、例のコーヒー豆袋に入れて売るかというと、そうはならない。

今や、大ブレイク中のメイソンジャー。Cotieでも現行品からヴィンテージまで人気製品だ。コイツに、スケボー軍団を入れてメインディスプレイにしちゃってる。

技アリ!完敗。物欲感倍増。男の小箱感!

佐藤氏的には、一緒にメイソンジャーをお買い上げということで商売的にグッド。さらに、消費者である我々にも
佐藤氏の「遊び方のセンス」が付録としてついてくる。とうぜん、知り合いにはまるで自分のアイデアのようにドヤ顔できるわけだ。双方メリット。

佐藤氏の頭の中に、見事に「80’s的アメリカン」「90年代フィギュアブーム時のインディーズ的な怪しげで魅力的なパッケージ」「2015年的サードウエーブコーヒー」「流行商品」「自分のセンス」というフォルダが層になって区分けされている。時間や売上や自分のメリットや客のメリットを考えて、いろいろなストーリーやアイデアが挟まった商品が確信犯的に店頭に並ぶわけだ。

 

c_9Lip Smacker (model:ReiCo)

(例2)大好きなバカ映画の1シーンに出てくるインパクトあるアメリカの日常品を売ってみる。

 

お次は1999年のバカ映画かつ素晴らしい映画であり、佐藤氏がメチャクチャ大好きな『デトロイトロックシティ』。70年代を意識したアメリカンB級映画の傑作だ。Yahoo映画やAmazonのコメントも悪くない。

この映画で、アメリカのティーンの女のコたちが使っているのが、この「Lip Smacker(リップスマッカー)」だ。要は、リップクリームなのだが、なんと、コーラ味やスプライト味が楽しめるというメイド・イン・アメリカ。アメリカでは昔から人気の定番日常商品なのだが、日本ではほとんど知られていない。コーラとかスプライトの版権関係?これは使ってみたい。

 

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佐藤氏は、アメリカ映画のシーンからヒントを得て、Cotieのラインアップに加えることもある・・・というか、逆に入荷した雑貨が映画のシーンに出てくると、即座にチェックして映画好きな客に情報を流しているようだ。頭の中に「アメリカ映画」というフォルダもあるのだろう。もちろん、そんな映画たちは70’sや80’s。スターウオーズグッズもニンジャ・タートルズグッズもヴィンテージの方だ。そして、不思議とそんなCotie店内にあるヴィンテージ映画グッズの新作が公開されちゃったりするからおもしろい。

 

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女子高生よ、この男の貴重な話を聴け。

Cotie店長が、子供の頃から自分の好きだったことを今の時代に解釈して、上手に仕事として成り立たせているのは確かだ。そして、そんな貴重な体験談を教科書にして高校で特別講義なども行っている。この愛すべきアメリカンカルチャー狂の生き方(仕事)が、今の時代は子供たちの教科書と成り得る。そういう時代になったのだ。

ここで佐藤氏の経歴をサクッとご紹介しておこう。

 

大学時代、渋谷の某クラブの運営事務所で社長さんの付き人的なアルバイト

そこのコネで、ファッション誌のモデルの仕事

役者事務所で稽古をしながら、知り合ったスタイリストが経営する原宿のセレクトショップで働く

福生の某ヴィンテージファニチャーショップで働く

高円寺に自分のショップをオープン

 

90年代に青春を送った方なら、すぐに想像できそうなあの頃の話から始まっているのだ。佐藤氏が大好きなアメリカンカルチャーの記事や製品が掲載された雑誌。そのモデルとして仕事。さらに、服そのものを売る側として仕事。ちょっと好き系が拡がって、ヴィンテージ家具屋で仕事。で、諸々の経験と外せない趣向をミックスして、高円寺のこのショップがオープンしたわけだ。Cotieオープンから今年で10年。このショップにはそんな佐藤氏の生きてきた流れのようなものがエッセンスとしてあちらこちらに振りかけられている。だから、ちょっとした何百円かの雑貨でさえも、何かが挟み込まれている感があるのだ。ただ売れ線のモノだけを並べて販売している凡百のセレクトショップとは明らかに違う。

 

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断捨離クソ食らえ!ここから始まる宝の山。

さて!ここからは、佐藤氏の人生指南の源となったであろうお宝をご紹介。氏は、わざわざ取材のために、ご自宅からドサドサっと当時のお宝を持ってきてくれたのだ。

 

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ご持参いただいたスニーカーコレクション。こんなことを言ったら怒られるが、正直ちょっとヒクぐらいの量。もちろん、すべて激しく履きつぶした痕跡が。しかも、コンバース(オールスター)がとにかく好き過ぎて、何十足も。エアジョーダン関係も数知れず。一足一足に関する佐藤氏の細かなウンチクも数知れず。

 

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ブルース・リー『死亡遊戯』で最も輝いていた巨人、カリーム・アブドゥル=ジャバー×アディダスモデル。80後半〜90年代のアメリカンカルチャーを語る際に、バスケは絶対に外せない。

 

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コレ誰?マイケル・ジョーダンなのだ。「まだジョーダンが選手としてブレイク前の、ブルズの単なる一選手だった時代のTシャツなんです。ヒドイでしょ?(笑)」(佐藤氏)

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というわけで、佐藤氏のTシャツコレクションもハンパない。しかも、いくつかの特徴的な趣向性があるのだ。みんな大好き『グーニーズ』や上の記事に出てきた『デトロイトロックシティ』などの映画系、バスケ系、それに佐藤氏が大好きな土地であるポートランドやアイルランドモノ・・・

 

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「基本的には、バカっぽいTシャツが一番好きなんです」(佐藤氏)

 

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帽子のコレクションもハンパない。佐藤氏が着用しているのは、『ジャッキー・ブラウン』で印象深かったカンゴール。

 

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でも、CotieにはスニーカーもTシャツもキャップも売っていない。

そうなのだ。ショップでは、これらの彼の私物コレクションはもちろん売っていない。確実に古着屋をオープンできるくらいの量だ。それどころか、佐藤氏が大好きだったスニーカーやTシャツなどのアイテムもほとんど売られることはない。

でも、今回佐藤氏のコレクションを見せていただき、ショップに並んでいるまったく違う、流行の、あるいはずっと昔のヴィンテージも、商品セレクトやレイアウトの仕方を見て納得してしまった。今の商品なのに佐藤氏の過去がある。うまい。

実はこのことが、僕らが過去に好きだったもの、あるいはまだ「好き」が続いているモノ、コトを今の自分の、時代の、仕事や生き方にそのエッセンスやストーリーや経験や知識を採り入れることができることを実証しているのだと思う。

佐藤氏は『Back to the Future』のドクなのかもしれない。ドクは1955年のやり方で、1985年をやり過ごし、2015年を楽しんだ。

(写真)ショップ店頭でイイ具合のアイコンになっているホンダのモンキー。ちなみに、佐藤氏はこのヴィンテージマシンをマメにメンテしながら、通勤の足として使っている。

 

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Cotie(コティ)