Tokyo Mac Blog

iTunesやHULU、Netflixなどの配信。DVDやBlu-ray。そして、2017年は「映画館」が新たなメディアとして来てる!

去年は『シン・ゴジラ』『君の名は。』『この世界の片隅に』がツイッターなども後押しして大ヒットした年。もちろん、これらは円盤はまだ出ていないどころか、ロングランで劇場上映さえしているという近年稀にみる現象。そして、ヒット映画を高音質(音声)で再上映する爆音・極音上映。さらに、逆に昭和から続く小さな映画館の再認識・・・

なので、なんとなく、「映画館」って今、逆に一番新しい動画メディアなのかも…なんつー気分で、2017年の封切り映画を毎週短く簡潔に偏りレビューしていきます。
ストーリーなし。ネタバレなしで。ジャンルレス。大作も単館系もアニメも。

 

エンドロール中、席を立つ人はほぼいませんでした。

 

『沈黙-サイレンス』(監督:マーチン・スコセッシ)

なんと、『タクシー・ドライバー』『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の巨匠スコセッシが、日本を舞台に日本の役者たちを使って撮った大作。
テーマは宗教。隠れキリシタン・・・とこれだけだと「あー、宗教モノかあ・・・苦手だなー」「時代劇かー」と。
例えば『この世界の片隅に』も「戦時中にしたたかに生きる、すずの目を通して・・・」という解説だけ読んで判断しちゃうと、正直行く気が失せちゃう場合、ありますよね。それと同じなんで、とりあえずそこらあたりのフィルタリングはせずに1,800円ベットしてみてください。

 

 

今週のポイント

●日本人の監督の作品だと言われても、まったくわからない。
(間違った、失笑してしまうような日本表現は一切なし)

●イッセー尾形と塚本晋也の演技。日本人として誇らしいです。マジで。

●小松菜奈出演時間は5分〜10分程度。重要な役ではないのでコマツナファンの方、注意。

●オープニングとエンディングにも注目。エンドロール中、席を立つ人はほぼいませんでした。
(そして、それがものすごく不思議な光景です・・・別にエンディングに後日談かあるとか、NG集があるとかいうんじゃありませんよ)

 

中国なんだかアジアのどこなんだかわからないような日本(のつもり)の演出はなしです。
まるで日本の巨匠監督が撮ったような感じ。前情報が無ければコレがあの狂った映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(傑作!)を撮った人間の映画とはとても思えません。黒澤の『乱』とか『影武者』とかあのあたりの雰囲気?ワビサビしまくりです。オープニングからワビサビしてます。それでいて、残酷シーンはリアルで力強い。その強弱がスゴイ。

日本の役者陣は浅野忠信、加瀬亮(チョイ役)、窪塚洋介など。中でもイッセー尾形と(俳優としての)塚本晋也がモノスゴイです。海外でもイッセー尾形の演技がかなりウケているようです。さすがです。

まさか『タクシー・ドライバー』の監督の映画に『鉄男』の監督が役者として出演する日が来るとは・・・と、オールド映画ファン感涙のキャスティング。塚本晋也の演技は、デ・ニーロに絶対に負けてませんよ。壮絶です。ここに田口トモロヲが出演していないことが悔やまれます。

対して、密かにウキウキと期待していた僕らのコマツナちゃんは、残念ながら出演時間はわずか。あと、日本の誇る怪女優片桐はいりも、『シン・ゴジラ』同様きちんと存在感出しています。ちなみに浅野くんもいつもの浅野くんです。もう浅野忠信は存在感だけで十分な国際俳優になっていたんですね。
横道に逸れますが浅野忠信の去年のコレはTokyoMac編集部超オススメの2016年邦画(日仏合作)です。

そこらあたりの「へえ!このキャスティングでこういう使われ方なんだ・・・」というポイントが非常に重要かつ、興味深いかと。邦画では絶対に使われない使い方というか。なにしろ、重要ポイントがイッセー尾形と塚本晋也ですから。

歴史の時間にちょろっとだけ習った「隠れキリシタン」「踏み絵」。「そんなん、テキトーにウソついて踏んじゃえばいーじゃん」とか「つか、ウチ仏教らしいけどそんなん意識したこと一度もないし」なんつーいいかげんな記憶しかなかったものが、ジワジワとコッチの心を支配していく、考え方がジャッジメントされていくという非常に繊細な、けれども壮絶にリアルな映画でした。ハリウッド映画の大胆さと邦画の繊細さのミクスチャーという(しかもそれが大成功しているという)珍しい映画なのかも。やっぱり、いつもどんな映画なのか一言で言えないグレーを残すスコセッシな映画。

アンドリュー・ガーフィールド他ハリウッド俳優陣については割愛。だって、『キル・ビル』以来の「他のどの国の観客たちともまったく異なる視点で日本の俳優陣を多数観ることができる」貴重なチャンスなんですから!

あ、遠藤周作の原作は未読です。でも、以前の(邦画での)映画化よりも、原作に忠実だったという声もありますね。

 

『沈黙-サイレンス-』公式サイト
http://chinmoku.jp

「沈黙」が発行200万部突破 故遠藤周作さんの小説 (1/22 日本経済新聞)

 

不束者たちですが、来週もよろしくお願いいたします。(TokyoMac編集部)