「あの」能年玲奈(のん)のデビュー曲がカセットテープで発売されるわ、渋谷西武では「大ラジカセ展」が開催されるわ、最近のアーティストがカセットテープをグッズとして活用するわで、グツグツと沸騰中のカセットテープ。
懐かしさの中年層と、新鮮さの20代と、ゆるかわアイテムとしての女性陣と、音楽の所有欲が入り混じり、これは大ブレイクの予感・・・?
というわけで、じゃあ、2017年の今、オーディオマニアでも、ヴィンテージマニアでもない、フツウの生活を送るあなたが、カセットテープを聴く、楽しむにはどうするのか?という。
とりあえず聴けりゃいいから、激安のカセットウオークマンもどきを買う?(壊れるのが早いんです…あと、デザインがものすごいセンス…どう考えたらそのデザインになるのだろう?)
昔昔のラジカセを押入れから引っ張り出してきて、聴く?(たぶん、動きません…テープが絡んで終わりそう。オレは大好きな男っぷり激しいナンチャラホーンも、「この懐古趣味野郎!」「そのIKEAの家具にまったく合わない!」と、女性陣には概ね不評)
どうせなら、と欲張りにPCに連動できる、MP3化できると謳うプレイヤーを買う(かなり面倒くさい、つか最近はカセットにダウンロードカードが付属してるから無意味…そして音と周辺機器面したデザインがどちらも悪すぎる)
海外のB&Oとかのヴィンテージラジカセとか憧れる。価格的には夢。
まあ、いろいろ考えちゃうんですが、どれもこれも帯に短し襷に長し!あとやっぱりCD機能も欲しい。
TokyoMac編集部はここ数年、「まともに聴ける、そして2017年の日本の家屋に似合うナイスなデザイン、割安感」のラジカセを追い求めてきたのです。既に4機種。そのすべてのカセット駆動部が故障しました。この中には国内有名メーカーのも含め・・・
そして、今年の5月。ひっそりと(?)その希望にあまりにもドンピシャな「新しいラジカセ」が出現していたのです。
しかも、あのSONYから!!!!
機能、デザイン、コストの超バランス。最初に言っておきましょう。これ、1万円前後(我々は9,800円で入手済)で買えるんです!!本気ですよ。このラジカセは。
CFD-S401
とくに気の利いた可愛い名称なんか付いてないんです。「CDラジオカセットレコーダー」。
まずは、19 x 31 x 13 cm ; 2.8 Kgというサイズ感が絶妙。大き過ぎ、小さ過ぎず。リビング、仕事場、キッチンそのどのスペースにも気持ちよく佇ませることができるハズです。
本体デザイン。ありがちな「無意味にまるまるっとした」形状ではなく、丸すぎず、角張り過ぎず。そして、肝心なのがカラーリング。黒、白、ベージュの3色展開なのですが、新鮮なのがなんつってもベージュであります!ありそうでなかったこの色。
ハシャギすぎたようなカラーリングばかりの昨今のラジカセにおいて、この色こそが「ほぼどんなインテリアにもマッチする」着地点であります。出しゃばり過ぎず、引き過ぎず。こればっかりですが、要はデザインのバランス感が絶妙なワケですよ。MUJI(無印良品)家電的っぽいんだけど、存在しなかったモノ。女性陣、許容。
白は、「シロモノ家電」感。「オレだけが使う」環境を確保可能な男性には黒かな?
操作部(ボタンレイアウト)のデザインがまた秀逸。
すべてのボタンは上部に配置。高さも限りなくフラットになるようにデザインされていて、キレイです。そして、このボタン類。基本的な再生、停止、一時停止、早送り、巻き戻しなどはCDとカセットが共通で操作できるのです。わりと大きめで押し間違いはまずしない。
このボタンで使うアイテム(CD、カセット)を選択してから・・・
再生・停止・早送り、巻き戻しなど操作します。
この発想って、パソコン以降だからできるアイディアだったりするのかしら?昔のラジカセのほとんどは、CDには専用のボタン、カセットには専用のボタンがそれぞれ搭載されてましたもんね。
前面には清く、3つのポート。ヘッドフォンジャック、(外部)マイクジャック、音声入力ジャック。コレだけありゃじゅうぶん。コレ以上あるとそれはもう世間的にはマニア向け、ガジェットおじさん大好きマシンになってしまいます。
外部入力(ミニジャック)が搭載されてるので、Macやアンプからレコードを録音したり、簡易的にスピーカーとして使ったり。外部マイク入力もありますので、カラオケ、語学系とか、朗読とか、弾き語りとか、簡易的な拡声器とか、隠し撮りとか何でも楽しんじゃってください。たくさんの「アナログ版」アプリが入ってるようなモンですよ。ある意味。たまにはこの世界に帰ってくること、大事かも。
CD部。もちろん、焼いたりはできませんよ。聴くだけ。でも、カセットテープに録音できます。いいなあ。和む。もちろん、CD-R/RW再生もOK。もちろん、リピート、シャッフル、プログラム再生OKっす。
さて、カセット部分。所謂イジェクトボタンは非搭載。フタ自体を軽く押してやると開きます。フルオートシャットオフ。
80年代の懐かしいのやら(50代)、90年代のDJのミックステープやら(40代)、最近のアーティストグッズアイテムとしてのカセットやら(20代〜30代)・・・時代入り乱れで聴きまくる。サービスエリアでカセットテープ売ってたなあ。
なんと!!!!綿棒同梱。
カセットのヘッド部分が汚れやすいというのは、昭和世代の方々はとっくにご存知かと。で、お馴染みの綿棒が付いてるのです。SONYのラジカセに対する本気度、ガチっぷりが伝わってくる!とても2017年とは思えない。
ちゃんと綿棒とテープの関係性がわからない、そのまま耳の掃除に使われないために、若い世代のための説明書も。ここまで押さえてくるとは恐れ入りました!
さあ、100均で綿棒を入手しておきましょうね。
液晶パネル。現代っぽく、大型です。
このボタンで、液晶の明るさ調整可。細やかな気遣いありがた屋。
ハンドルも搭載。イマっぽいデザインでございますよ。そして本体に収納された時の境目も美しい。収納しちゃうと、ハンドルに見えない。デザインの一部と化してる。秀逸でありますう。
あ!もちろん、ラジカセですから、チューナー(ラジオ)搭載です。
アンテナ。これがなくっちゃ!これを出すと俄然、ラジカセ感、アナログ感強くなりますよね。かっけー。
しかも、FM/AM/ワイドFM対応(AMラジオの番組がFM放送でも聴ける)。TokyoMac編集部の仕事場では、Radikoよりコッチの出番が多くなってることは言うまでもありません。もちろん、カセットに録音OK。ラジオ局登録OK。なんと、予約録音もできます。目覚まし・おやすみ設定も使えます。(目覚まし設定は、CDにもカセットにも、あるいはオリジナルのブザー音でもOK。)
さあ、音質。ここを避けることはできません。ざっくり言って、「この価格でこの音質なら無問題」。さすがにここは世界のSONY。バスレフ構造というのが採用されているので、気になる低音もある程度、再現できてます。
ただし、トーン調整は非搭載です。公式ページには「カセット、ラジオなど機能毎にイコライザを設計、音を最適化しました。」とあります。ここは清く、この製品の特性を考えると従っちゃったモノ勝ちなんだと思います。どうしても自分トーンにこだわりたい方は、外部スピーカー、アンプに接続してそっち側で好みの音質にしちゃいましょう。
AC電源と乾電池(単2)の両方に対応。なので、夏の旅行にもどぞ。ラジカセですから。モバイルアイテムですから。
注意したい点が1点。使い始めに単4電池(4本)必須です。もちろん、入れなくても問題なく駆動しますが、時計用の電池になるのです。内蔵タイマーの設定保存のためにも。
ということで、フツーのヒトが1万円前後で買える気軽・無印的(?)ラジカセとして、絶対的にお薦めできる新製品がSONYから、今年(2017年)に発売されたということにまずは拍手です。
蛇足。カセットにハマってくるとこういうラックが欲しくなってくるハズ。ヴィンテージショップでもまず見つからないので、DIYで作ってみるというのも有!
蛇足。ミックステープをつくってみよう。データと違って、曲が終わるまで待たないとダメですよ。曲順間違えたら、終わりですよ。慎重に!そして、それこそが、たまにはちょっと帰りたい場所、必要な時間なのかもしれないのです。たぶん・・・きっと・・・違うかも・・・いや、やっぱりそうなのかも!
量販店や大型スーパーではちゃんと、生カセットテープが売られているのです。健在だっとは!このあたりは、長年、カラオケにカセットテープを使ってきたお爺ちゃん、お婆ちゃんたちをリスペクトです。彼ら、彼女らのおかげでカセットテープは生きながらえていたのです。
SONYが、このラジカセの販促のために公開している「イマ女子のラジカセ対談」。これ、けっこう(失礼)おもしろいです。あるあるネタが連発。SONYさんにはこのラジカセのためにもっと販促費を使うことを勝手に提案したい。突如、テレビでラジカセのCMが流れてきたらそれはそれでものすごく痛快。AppleのiPhoneのCMの次に、SONYのラジカセのCM!事件!iPod販売終了の裏で、ウオークマン新作を出すSONY。レコード生産復活を果たしたSONY。これは何かのアレですよね?
昭和と平成が玉石混交された今を生活してるって、ホントはすごくおもしろい。
最後に・・・カセットテープに録音したら、ちゃんと爪を折ることを忘れてはいけません!「上書き保存」防止。
(11月18日 追記)
そして、ブルーグレーが仲間入り。くすんだブルーのコレもヨーロッパのヴィンテージラジオ感あるカラーリング!わかってらっしゃる。
実は、その後、一部機種に関して、SONYからリコール連絡(無償修理)がありました!該当機種をお持ちの方は来年(2020年)の11月までに連絡すべし!CDプレーヤー部分の一部不具合のようです。日程を指定すればピックアップしに来てくれましたよ。箱も持ってきてくれて梱包もしてくれます。
↓
https://www.sony.jp/radio/info/20170928.html
日曜日にピックアップしてもらってから、木曜の朝には戻ってきました。
もちろん、2年前に購入した製品ですが、リコールなので完全無償ですよ。
言うまでもなく、問題なく再生されます。修理してくれたSONYの人、ありがとう!実はずっと諦めていたので嬉しゅうございます。こういったアフターケア含め、やっぱりオススメ度高し、なラジカセでございます。
こういったリコール関連の手続きって実は初体験なので、とりあえず追記として記しておきます。