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【レビュー】Xpedition
日本古来の「背負子板」にインスパイアされた、
新発想のカメラバッグ。

GWに発売以来、大人気の普段使いカメラバッグ/スリングバッグALPAKA社Go Sling Pro

TokyoMac✕MacPerfectスタッフが「大きなサイズのカメラバッグ(Appleデバイスも収納できるなら、なおOK!)にも、何か新しい発想のモノが無いか?」と日夜奔走して見つけ出したのが今回ご紹介の【Xpedition(エックスペディション)】。

キックスターター出身のコ〜レがヤバイッ!

 
 

まずは、その新鮮かつ秀逸過ぎる能力。

コレなんですよ。見たことある方、いらっしゃるかと思います。たまに古い映画やドラマなどに登場するのを見かけたこと、あるでしょ?所謂、背負子・・・背負子板ってやつ。例えば、ここに薪(まき)とか括り付けて運ぶ。あるいは、ちょい昔の登山でも使われていた感じの。

Xpeditionが、この日本古来の背負子板の発想を、2019年の超モダンタイプとしてリボーンさせたのです。

 
 
左:背負子板(Wikipediaより) 右:Xpedition(内部エックスフレーム)

なぜ、背負子?

背負子板の利点は、「荷物の重心と、身体の重心が近い」ということ。上の写真でもわかるように「板の上の位置に荷物を括り付けて運んでいる」のがわかります。こうすると、「荷物の重心と、運んでいる人の身体の重心が近くなる」のです。荷物の重心を身体の近くで分散させるほど、身体重心が高くなり、その結果、「楽になる」という。海外メディアのライターさんやキックスターターのバッカーのコメントでも「背中が痛くならない!軽く感じる」という声多数。

 
 

エックスフレーム〜背負子板の利点を現代解釈

で、実際に通常のバックパックではコレが無理。バックパック内の上のスペースだけに荷物を「固定」するなんてことは絶対にできないから。

でも!Xpeditionは、このエックスフレームなるパーツを、バックパックの内部背面に搭載。これで、バッグインバッグをバックパック本体にセット、固定できるという、モジュールバッグの発想なのです。見事に背負子板の構造を、現代に蘇らせることに成功したってわけですよ。

 
 

もう、これ、感覚なんで文章化するのが難しいのですが、明らかに通常のバックパックよりもラクに、軽く運べます。荷物を詰めたバックパックを背負った瞬間のあの「ずっしり感(ウンザリ感)」が無い。不思議です。昔の日本人、偉いっ!「荷物の重心と身体の中心(重心)の関係性が、これだけ重要なんだ」と実感!

内部バッグをエックスフレームへ連結させるシステムにはコレまた最新ツールとして、スニーカーからカー用品からもちろんアウトドアまで人気沸騰中の「フィドロック」を採用。

Xpedition内部写真。こんな感じで、内部に内蔵されたエックスフレームに、フィドロックのオス部分が配置されています。

 
 

固定するバッグインバッグには、フィドロックのメス部分を搭載。

 
 

大小サイズのバッグインバッグ同士の結合部分もフィドロックシステムです。大きなサイズのバッグにはオス部分。小さなサイズのバッグにはメス部分が搭載されています。

ちなみにフィドロックは、ドイツのチェロ奏者が(楽器の)弓を運ぶケースのために開発したことで有名な「現場感」ビンビンの秀逸パーツ。

固定させるのも外すのも、カチャッとスライドさせるのみのフィドロック。2019年・・・背負子板に、丹念に荷物を縄でしっかりと縛っていたであろう昔とは違います。日本の知恵・ミーツ・ドイツでございます。

 
 

さらにフラップ(蓋)部分のバックルにも、同じくフィドロックの別パーツ(フィドロックスライダー)が採用されています。スライドさせるだけで瞬時に開閉自在。ALPAKA社のバッグでもお馴染みの世界定番の新世代バックル代表選手です。

 
 

さて、Xpeditionは撮影する人のためのバックパックなので、とうぜんのことながら、中に固定するのはカメラバッグ(ケース)です。

 
 

大・小2つのカメラバッグ

こちらがラージサイズ。最大9リットルの大容量。望遠レンズを搭載したまんまでも、レンズ沼ズブズブの方でも余裕の収納。他、周辺器材もガンガンどうぞ。メッシュポケット完備ですから、SDカード、ケーブル、あるいはモバイルバッテリーなども。

バッグ一体型とは違って、単体スタイルの大きめ「ケース」だから、やっぱりいろいろと良い。「え〜と、あれはどこにしまったっけ?・・・」が無いのです。

 
 

こちらはスモールサイズカメラ機器に限らず、モバイルバッテリーやiPhoneガジェットなどもどうぞ。もちろん、ラージもスモールもベルクロ仕様のパテーションで、自由自在にスペースレイアウトOK・・・なので、別にカメラ機器に限らず、使えます。こうした、カメラケースって実は撮影機器以外のアイテム収納にもうってつけなんですよね。なにしろ、フラップ部分は厚めのパッド内蔵だし、内部はパーフェクトに傷防止仕様だし。そして、仕分けスペースのサイズ設定が自由だし。

 
 

さてさて、Xpedition本体のフロント部分のポケット。そうです。あなたの予想通りに、ここもフィドロックで固定されているので、いつでもどこでも外して使えるのです。

 
 

サコッシュ兼・フロントポケット

実は、このポケット、サコッシュ(あるいはスリングバッグ)として使えるわけ!もちろん、ストラップ搭載。ポケットも3箇所搭載で、サコッシュとしての使い勝手も良し。おまけに撥水仕様だし。

現場に到着したら、ひとまずXpedition本体は置いておいて、カメラバッグとサコッシュは外して使う。撮影しながらサコッシュ使えるのは、何かとめちゃめちゃ便利なのです。撮影中にも何かとお世話になるiPhoneは迷わずサコッシュへ。撮影後はサコッシュがそのまま、iPhoneが入ったままバッグのフロントポケットになるんだから便利この上なし。

これこそ、モジュール式バッグの恩恵。あ、もちろん、サコッシュとして単体で普段使いも、アリ。コレがバッグパックのフロントポケットになるなんて絶対にわからない!!

 
 

そして、入ります!MacもiPadも入ります。背面の肉厚パッド裏で、デバイスもしっかりとガードしてくれる。

 
 

MacとiPad

とりあえず、代表的なマシンで言うと、MacBook Proは13インチまで。MacBook AirMacBook。そしてすべてのiPadシリーズ。撮影とMacやiPadが切っても切れない関係性になっているアナタには必須の収納スペース。

 
 

で、背面の話が出たところで、Xpeditionの背面パッドは、立体構造により空気循環もバッチリ。蒸れも軽減されますよ。

 
 

忘れちゃならない三脚!底面には「ボトムユーティリティ」なる、ベルトを搭載。三脚の装着OK。三脚での撮影しない方でも、サイズにもよりますがブランケットや小さめテントなども括り付けることができます。

 
 

ボトムも、サイドもガンガン使える!

本体両サイドには、ポケットも搭載。撮影以外のちょっとしたアイテムはぜんぶこことフロントポケットで事足りそうですよ。片側のサイドポケットには、仕分けポケットやペンホルダーも。

 
 

さらに、ALPAKA社バッグでもお馴染みのキーリングも搭載。もちろん、単体で使えます。バッチリ成功した撮影後の帰宅時。「あれ?カギどこ行ったっけ?」(自宅の前で座り込んで、バッグの中身をガサゴソと出しちゃってカギを探す、かっこ悪い図・・・)ってなことがなくなります。

 
 

もう片方のサイドポケットがメッシュ仕様って、いい感じです。ジッパーもフラップも付いていない「チョイ入れスペース」って、スピードアクセスできるので、あるとめちゃ便利です。

 
 

イマドキのバッグではお約束の隠しポケット。Appleデバイス収納スペースと逆側にこっそりと搭載されております。

 
 

気になる素材。もちろん、本体は防水仕様。

 
 

サコッシュだって、撥水仕様。

 
 

撮影器材をバックパックで持ち歩いている方、バックパック型のカメラバッグが欲しかった方、交換レンズや周辺機器など撮影器材が多い方・・・たくさん入るのに、重さを感じにくい。アイテムがスッキリ整理される。撮影中は自由になれる。そんな理想的なカメラ用バックパックがXpeditionなのです。

 
 

Xpedition まとめ

「エックスフレーム」「フィドロック」で、日本古来の「背負子板」を現代版へとリボーンさせたカメラバッグ。

●背負子の構造は、荷物の重心と身体の重心が近くなり、荷物の重さを軽減。

大小2サイズのカメラバッグ。脱着はフィドロック瞬時

●本体フロントポケットがそのままサコッシュ(スリングバッグ)へ

MaciPad収納もOK。

三脚収納のための底面ボトムユーティリティ。

サイドボケット、隠しポケットも搭載。

(text:TokyoTool編集部 ヨウジロウ)

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